ガーディニア
加藤和彦 1978年 ランキングへ
味がある、の一言では済まされないデストロイな歌唱力が粋な男ですが、
本作のボサノヴァテイストは相性抜群、ナチュラルマッチング。
普通に聴けてしまいます。
と、言う訳でこの後にリリースされる名作の誉れ高いヨーロッパ三部作よりもまずこの作品を勧めます。
笠井紀美子とのデュエットが冒頭2曲。
#1アルバムタイトル曲は逃げ水のようなサビのメロディーがたまらなく洒落ています。
#2コテコテのボッサ。そこに(本作に限った事ではないのですが)安井かずみの詞も素晴らしくマッチング。
しかし本作はいつの時代の作品かまるで判断不可です。
以降#3、#4共に良い感じの曲。
#5はちょっと陽気にスパイシー♪(スパイシー♪)。好きな曲です。
#6アウトロの鈴木茂のギターはメロウそのもの。
#7続きましてはゆったりとしたホーンのイントロからして良い感じの曲。
#8良い感じの曲。
1曲たりとも外しません。
そして#9、最後はサンバで元気いっぱいに締め括ります。
とにかく良い感じにサラッと流れてゆきますが実は奇跡の1枚。国産ボッサ最初の1枚にして決定盤。本作が加藤和彦の最高傑作であり、人に勧めることの出来る唯一の作品ではないでしょうか。
本作は最近になってやっとCDが再発され、容易に入手出来るようになりました。
本作未聴で先に三部作~を聴いてみたけれどどうにもピンと来なかった、という方も本作は是非トライしてみて下さい。本作を踏まえ、改めて聴き直せば以前は七五三の衣装の様だった豪華絢爛なバックの演奏も、(崩しつつ)バッチリ着こなせているように聴こえるかもしれません。そもそも三部作~はあのチグハグ感が絶妙な、好事家仕様のアイテムだと思っています。
この粋の虜になってしまった方は是非三部作~以外の作品もどうぞ。但し上記の通り本作と同じものを期待すると確実に裏切られます。
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