眠りこんだ冬
徳永憲 2000年 ランキングへ
徳永憲: 魂を救うだろう
(※本CD未収録)
2ndアルバム。簡単に説明するなら1stはアシッドフォークの名作(雑誌媒体ではニック・ドレイクが
引合いに出されたりもしていました)。さらっとした感触の中にストレンジなひねくれポップ。静的。
本2ndはバンドアレンジの(割と直線的な)ロックアルバム。動的。
1stの方が持ち味が解り易いので徳永憲を初めて聴く方にはまずは1stを勧めますが、
現時点での最高傑作として私は2ndを挙げます。
「しっとりと殺す13曲」
CDの帯に付いていたこの文句。そしてタイトルの『眠りこんだ冬』
この人は数少ない詩人です。物事に対する視点の面白さ、鋭さ、言葉に対するセンスが傑出しています。
声がやや特徴的なのでメジャー感はそれほど無いかもしれませんが(私は好きなヴォーカルです。
詞曲によく合ってます)、メロディーセンスにも光るものがあり、楽曲はかなりしっかりしています。
決して言葉だけの人ではないです。
前作に比べ、パッと聴きバンドアレンジが一本調子で平坦に聞こえる部分もあるのですが、
聴き込む程にそれもまた良しと思える佳曲揃いです。結構きっちりした曲が揃っており大作感が何気にあります。
ベストトラックはシングルにもなった#11。同点で#13。共にエモーショナルで力強い名曲です。
間に入る弾き語りの小曲#12も何気にエモーショナル。
このラスト3曲の流れは素晴らしいです(余談ですが1stのラスト3曲も負けず劣らず素晴らしいですよ)。
ところで1stと本2ndの間にリリースされたミニアルバム『お先に失礼』は内容も1stと2ndの中間。といった感じで、こちらも必聴の名作です。以降の作品も含め順番通りに是非。
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因みに『お先に失礼』の帯の文句は「バラバラバ! いつか切手になる男」
もっともっと広く聴かれるべき人ですよ。ほんとに。
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