顕信の一撃

友川かずき　　2002年　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ランキングへ

静寂から瞬時に立ち昇る壮絶。圧巻。

音楽に於いていかに呼吸が重要なのかが解ります。人間の呼吸リズムから身体リズム、延いては生命のリズムを意識させられるのです。

つまりは生命の壮絶さが現れる作品。

友川かずきという稀有な歌い手が壮絶でなかった試しなど無いのですが、
なぜその中から本作を選盤したのかと言いますと、ひとえにアンサンブルの素晴らしさであります。
歌の壮絶にバンドの演奏が負けていない。それどころか対等以上のミラクルが起きる瞬間さえ多々あります。これぞ共闘。

トータルタイム約３３分、全編通して退屈させません。盤としての完成度はすこぶる高いと思います。

１曲取り上げてこれ、といった感じでは無く、全体として素晴らしい出来だと思います。

因みに＃２は「明かりをつけましょ～」のあのひなまつりです。それを友川かずきが歌っている。正直それ以上の感想は私にはありませんが、つまらないということはないです。

広く皆さんに聴いて頂きたい作品ですが、少々癖がある作品であるということも述べておきます。
まず、秋田弁。訛りそのまま。次に曲。マイナー調のものが多いです。演奏、特にドラム。フリージャズの如く。

言い換えれば、友川かずきの血としての地＝文化を色濃く反映させた歌と曲。
形式的な歌曲とフリーフォームの共存。といった感じです。

ジョン・ゾーン近辺が好きな方やSlint～Battles辺りが好きな方も、未聴であれば一撃喰らってみては
いかがでしょうか。

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John Zorn
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