Impressions
竹内まりや 1994年 ランキングへ
宝石箱のようなアルバムです。
竹内まりやという普通=普遍性が、ひたすら高貴に輝いています。
伸びやかな歌声と日常に根ざした歌詞。
どこにも無理が無いのにとても力強い。
ただし、普通と言えどやはり特別に恵まれた人だからこそできる音楽だという事も否めなかったりしますが・・。
それはデヴィット・ボウイだから寛斎山本のあの奇天烈な衣装でも成り立ったようなものでしょうか。
・・全然違いますね。
それにしても全編に渡っての黄金律出現率の高さ。ソングライターとしての圧倒的な実力。
そこに夫・山下達郎のプロフェッショナルとしての矜持が加わります。
大概、
ROCKはか弱い。POPSは強い。男性はか弱い。女性は強い。
この区分で言うと女性POPSシンガーソングライターは最強です。
実際、竹内まりやの音楽には人生を肯定的に捉えられる強さがあります。
ところで本作は過去のアルバム3作と当時の最新シングルで構成されたベストアルバムになります。
本サイトを作成するに当たりベストアルバムは選盤対象外とし、オリジナルアルバムのみを対象とすべきか色々と考えたのですが、結局なんでもありとしたのは本作が理由。と言いますか、きっかけの1つです。
「けんかをやめて」で始まり「駅」で終る曲順がまず最高です。
再生ボタンを押して出会い頭いきなりのインパクト。よく知った曲ですがオリジナル『REQUEST』では
3曲目に収録されています。これが1曲目というのは凄く良いです。2曲目以降もとんでもないのがゾロゾロ出てきます。そして最終最後に「駅」(『REQUEST』では6曲目)。・・完璧。
・・と言いたいところですが、途中1点だけ文句を付けさせて頂きたいアレンジが。#12とても好きな曲
なのですがパーカッションの「チャカポコ♪」あれだけは私には不要でした。
ベストアルバムというのは一つの作品として良い物が案外少ないように思います。ゴチャゴチャしてしまったり。チグハグだったり。流れが悪かったり。力の入った曲が多すぎて胃もたれしてしまったり。
本作はそういったベスト故の弊害が無く、全てがプラスに働いた理想的なアルバムだと思います。
竹内まりやの場合オリジナルアルバムのみを対象とした場合でも100枚の中に選ぶつもりでしたが、
この良質で最高のアルバムがあるのだからオリジナル云々の枠は外した次第です。
ベスト・オブ・ベスト。本作はまさにポップミュージックの幸福です。
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